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秋風に揺られてのんびり巡る、武蔵野線沿線のおすすめ紅葉スポット5選【府中本町・西国分寺・新座・武蔵浦和・東川口】

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秋風に揺られてのんびり巡る、武蔵野線沿線のおすすめ紅葉スポット5選【府中本町・西国分寺・新座・武蔵浦和・東川口】

朝夕の風に少しずつ冷たさが混ざり始めると、いよいよ紅葉の季節がやってくる。東京西部の府中から埼玉を経て、千葉方面へとつながるJR武蔵野線。普段は通勤や通学で使う身近な路線というイメージが強いけれど、秋になるとイチョウやモミジ、メタセコイアなどが鮮やかに色づく紅葉スポットがいくつもある。境内を黄色く染め上げる神社の大きな木や、水辺の散歩道が心地よい公園、そして昔ながらの武蔵野の風情を残す雑木林まで、沿線には途中下車して立ち寄りたくなる場所も多い。

今回は、2026年の秋に訪れたい紅葉スポットを、府中本町・西国分寺・新座・武蔵浦和・東川口の5エリアからピックアップ。見頃やアクセスとあわせて、日々武蔵野線沿線を見守るJRスタッフが教えてくれた秋景色も紹介する。休日のちょっとした気分転換に、電車に揺られて秋の散策へ出かけてみよう。

大國魂神社の紅葉【府中本町】

黄色いイチョウとケヤキ並木を歩く。歴史と季節の行事が出合う境内

古くから武蔵国の総社として親しまれてきた大國魂神社は、晩秋になると境内全体が温かみのある黄色や茶色に包まれる。駅前の通りを抜けて大鳥居の前に立つと、まず目に入るのが左右に枝を伸ばす立派なケヤキだ。国の天然記念物に指定されている「馬場大門欅並木」は、平安時代に源頼義・義家父子が苗木を奉樹したのが発端とされ、現在並木通りに残る最古の木は江戸時代初期に徳川家康が補植したものと伝えられている。大鳥居の右手にそびえるケヤキは樹齢約400年ともいわれ、街の移り変わりをずっと見守ってきた堂々たる佇まいだ。歴史ある並木道を歩いていると、街中でありながらどこか昔の街道を散策しているような気分になってくる。

大國魂神社

銅板葺き屋根の拝殿周辺も色づき始める

随神門をくぐって拝殿の裏手へ回ると、御神木として大切にされている大イチョウが立っている。樹齢は約1000年といわれ、過去の落雷で主幹の上部が折れてしまったものの、そこから再び力強く枝葉を茂らせてきた。枝から垂れ下がる無数の突起は「気根」と呼ばれ、その形から母乳や安産の祈願として地域の人々に信仰されてきた背景がある。歴史や人々の暮らしに寄り添ってきた木だと思うと、見上げる姿にもいっそう親しみが湧いてくる。

大國魂神社

御神木の大イチョウの周りは、まるで黄色い絨毯のよう

大國魂神社

境内の木々が色づき始めるころ、同時に寒い季節もやってくる

例年11月下旬から12月上旬にかけてが見頃となり、枝いっぱいに広がった黄色い葉が風に揺れ、参道には落ち葉がさらさらと舞い落ちる。静けさのなかで足元の落ち葉を踏みしめながら歩きたいなら、行事のない平日の午前中などが狙い目だ。一方で11月の境内は、丹精込めて育てられた菊が並ぶ菊花展をはじめ、縁起物の熊手と威勢のいい手締めが響き渡る「酉の市」、晴れ着姿の家族連れで行き交う七五三など、季節の行事で活気づく日も多い。普段の落ち着いた佇まいの中で木々をじっくり愛でるか、それとも秋ならではのにぎやかな門前の活気とともに紅葉を楽しむか、訪れる日によって違った表情に出合えるのもこの神社ならではの魅力といえる。

大國魂神社

住所:東京都府中市宮町3-1
営業時間:6:30〜17:00(ご祈祷は9:00〜16:00、宝物殿は土・日・祝日、祭礼日の10:00〜16:00)
料金:境内参拝無料(宝物殿は大人300円、中学生以下無料)
URL:https://www.ookunitamajinja.or.jp/
交通:JR武蔵野線府中本町駅から徒歩約5分

都立武蔵国分寺公園の紅葉【西国分寺】

広い芝生と池のまわりを巡る。空の広さと穏やかな水辺に浸る時間

西国分寺駅から南へ歩いて7分ほど。静かな住宅街を進んだ先にある都立武蔵国分寺公園は、かつて鉄道の技術者を育てていた中央鉄道学園の跡地に整備された都立公園だ。敷地は南北のエリアに分かれており、それらを結ぶ「ふれあい橋」という歩行者専用の陸橋を渡ると、円形広場を中心とした大きな原っぱと、穏やかな水をたたえる「武蔵の池」が視界いっぱいに広がる。武蔵野段丘の広々とした空が望め、周囲に視界を遮る高層の建物が少ないこともあって、園内に一歩足を踏み入れるだけでふっと肩の力が抜けるような心地よさがある。

都立武蔵国分寺公園

赤く姿を変えたモミジの下を、散策路が続く

11月中旬から12月上旬にかけて、園内の木々は赤や黄色に美しく色づいていく。特に泉地区の南東口から入ってすぐの通路にはイチョウ並木が続いており、秋晴れの日には澄んだ青空に黄色い葉が鮮やかに映えて歩くのが楽しくなる。緑色だった円形広場の野芝も冬に向けて少しずつ枯れ色へと移り変わり、日当たりのいい場所を見つけてベンチに腰を下ろすと、ぽかぽかとした日差しのぬくもりがありがたい。散歩を楽しむ近所の人や、落ち葉を集めて遊ぶ子どもたちの声が聞こえ、どこかホッとするようなのどかな日常の時間が流れている。

都立武蔵国分寺公園

青空に黄色く染まったイチョウ並木が映える

池の周囲へ行くと、水辺に植えられたイロハモミジが赤く色づき、水面にその姿を映している。水辺に揺れるススキや噴水の水しぶきを眺めながら歩いていると、季節の移り変わりが身近に感じられる。この公園のすぐ近くには、きれいな湧水が流れる「お鷹の道・真姿の池湧水群」や、かつての寺院の礎石が残る「武蔵国分寺跡」があり、緑豊かな遊歩道でそのまま歩いて行けるのも魅力だ。公園の紅葉をひとしきり楽しんだあとは、少し足をのばして周辺の小径を巡ってみるのもおすすめの散歩ルートだ。

都立武蔵国分寺公園

住所:東京都国分寺市泉町2-1-1
営業時間:常時開園(サービスセンターは8:30〜17:30)
料金:入園無料
URL:https://musashinoparks.com/kouen/musasikoku/
交通:JR武蔵野線西国分寺駅から徒歩約7分

平林寺の紅葉【新座】

茅葺きの門と武蔵野の雑木林に親しむ。静けさに包まれる禅寺を歩く

平林寺は、南北朝時代に開かれた臨済宗妙心寺派の禅寺だ。江戸時代前期、川越藩主だった松平信綱の遺言によって現在の野火止の地へと移された。境内を取り囲む雑木林の広さは約43万平方メートルもあり、武蔵野の面影を残す貴重な自然として、国の天然記念物に指定されている。現代の住宅街のなかにこれだけまとまった雑木林が残されている例は珍しく、総門をくぐると、周囲を走る車の音がふっと遠のき、風で木々の葉がさらさらと揺れる音と、ひんやり澄んだ空気が迎えてくれる。

平林寺

築350年の風格を湛える平林寺のシンボル山門

平林寺の紅葉は、11月下旬から12月中旬にかけてゆっくりと時期をずらしながら深まっていく。まず見頃を迎えるのは、茅葺き屋根が目をひく総門や山門、仏殿といった歴史ある木造建物の周辺だ。放生池のまわりや半僧坊感応殿の近くにあるモミジが赤く色づき、歴史ある木造建築とよく似合っている。続いて12月に入ると、奥へと広がる広大な境内林や、総門の向かいにある「睡足軒の森」へと色づきが広がり、クヌギやコナラの黄褐色とモミジの赤が混ざり合った、落ち着いた色合いが境内をやさしく彩る。

平林寺

池に映り込む木々も美しい

平林寺

真っ赤に染まる「睡足軒の森」

雑木林の中には約2キロの散策路が整備されていて、カサカサと落ち葉を踏む音を聞きながら歩くことができる。木々の隙間から射し込む柔らかい光を浴びながら散策していると、日常の慌ただしさをひととき忘れられる。足元に広がる素朴な土の感触を確かめながら、今も修行が続く禅寺ならではの凛とした静けさのなかで、木々の色づきをじっくりと眺めたい場所だ。

平林寺

住所:埼玉県新座市野火止3-1-1
営業時間:9:00〜16:00(最終受付15:30) ※12月31日、2月1日〜末日は拝観休止。修行道場のため境内での三脚・一脚・自撮り棒の使用、敷物を広げての飲食等は禁止
料金:大人(中学生以上)500円、小人(小学生)200円
URL:https://www.heirinji.or.jp/
交通:JR武蔵野線新座駅から徒歩約36分、バス約19分

別所沼公園の紅葉【武蔵浦和】

水面に映る琥珀色の並木を眺める。夕暮れの光に包まれる水辺散歩

別所沼公園は、市街地の中にありながら、どこか遠くの湖畔に来たような落ち着きを感じられる場所。この別所沼は、大宮台地の谷あいに湧き出た水が低地にたまってできた天然の沼といわれている。沼のまわりにはメタセコイアが約330本、ラクウショウが約500本植えられており、まっすぐに高く伸びる木立が水辺をぐるりと囲んでいる。

別所沼公園

鏡面のような水面に映るメタセコイアの逆さ紅葉

11月下旬から12月上旬になると、これらの細い針葉がやわらかな黄色からあたたかみのある橙色、そして深みのある琥珀色へと色づいていく。風が穏やかで水面が揺れていない時間帯には、青空と色づいた木々が沼の水にそのまま映り込み、きれいなリフレクションを見せてくれる。沼の周囲には1周約940メートルのトリムコースがあり、足元に落ちた柔らかい葉を踏みながら散歩やジョギングを楽しむ地元の人々の姿が絶えない。釣りをのんびり楽しむ人の姿もあり、気取らない日常の空気が心地よい。

別所沼公園

駐車場周辺のイチョウ並木

沼の西側には、24歳で亡くなった詩人・立原道造が別所沼のほとりに建てたいとスケッチを残していた週末住宅「ヒアシンスハウス」が建っている。約15平方メートルの小さな木造の建物で、市民の協力によって再現されたものだ。水・土・日曜や祝日には中が公開され、窓越しに色づいた並木を眺めることができる。午後の遅い時間になると西日が射し込み、並木と水面があたたかな光に包まれるので、夕方の散歩に合わせて訪れるのもおすすめだ。ベンチに座って水鳥の泳ぐ姿を眺めながら、移ろう秋の光をのんびりと楽しみたい。

別所沼公園

住所:埼玉県さいたま市南区別所4-12-10
営業時間:24時間入園可能(駐車場は10月〜3月は9:00〜17:30、4月〜9月は9:00〜19:00)
料金:入園無料
URL:https://www.sgp.or.jp/bessyonuma
交通:JR武蔵野線武蔵浦和駅から徒歩約17分、JR埼京線中浦和駅から徒歩約4分

小林もみじ園の紅葉【東川口】

多彩なモミジが集まる専門園。個性豊かな葉の形と色合いを見比べる小径

川口市安行は、江戸時代から続く「植木の里」として知られ、街を歩くとあちこちに植木畑や園芸店が見られる緑豊かな地域だ。そのなかにある小林もみじ園は、カエデやモミジを中心に生産・販売を行っている専門の植木店。約1万1550平方メートルの広大な敷地には約400種ものモミジが大切に育てられており、園主の厚意によって敷地内が無料で一般開放されている。

小林もみじ園

江戸時代から続くモミジ専門の植木店「小林もみじ園」

敷地に入ると、頭上から手の届く高さまでさまざまな種類のモミジが枝を広げており、周囲がやわらかな赤や黄色に彩られている。一口にモミジといっても、品種によって葉の形や切れ込みの深さ、色づき方がずいぶん違っていて、歩きながら見比べてみるのがとてもおもしろい。傘のように枝がしだれる「流泉」のような珍しい仕立ての木もあり、専門の生産農家ならではの工夫や愛情が感じられる。緑色から黄色、赤色へと移り変わる途中のグラデーションも美しく、どこを切り取っても自然の豊かな表情が楽しめる。

小林もみじ園

紅葉に囲まれながら、ベンチでのんびり休憩することもできる

小林もみじ園

紅葉のトンネルがどこまでも続く園内

ここは植木専門店なので、並んでいる木はすべて販売用だ。小さな苗木から立派な庭木までそろっており、気に入った木があればその場で購入も可。自宅の庭やベランダでの育て方を熱心に相談したりする人の姿も見られ、専門店ならではの魅力もいっぱい。見上げる枝葉の美しさはもちろんのこと、ふと足元に目を向けると、散ったばかりの色とりどりの落ち葉が重なり合う景色も趣きがある。そんな園内を、自分好みの葉の形や色づきを探して歩くだけでも、あっという間に時間が過ぎていく。すぐ近くには「花の寺」として親しまれる興禅院や、多種多様な植物を展示している花と緑の振興センターもあり、安行の豊かな緑に触れながら合わせて巡るのがおすすめの散歩ルートだ。

小林もみじ園

住所:埼玉県川口市安行領家325
営業時間:9:00〜日没
料金:入園無料(苗木等の購入は有料)
交通:JR武蔵野線東川口駅からバス約15分

【運転士さんおすすめ】武蔵野線の車窓と街で見つける、とっておきの紅葉風景
知る人ぞ知る、武蔵野線沿線の秋景色3選

普段利用している武蔵野線の沿線には、駅から少し足をのばした場所や、線路のすぐそばにも季節を感じられる隠れた名所がある。毎日この路線を走るJR武蔵野線の運転士さんに教えてもらった、とっておきの秋景色を紹介しよう。

まず1つ目は、新秋津駅と東所沢駅の間、カーブ手前の上り坂付近の左手に見える慈光幼稚園の敷地に立つ2本のイチョウだ。電車の窓から眺めていると一瞬で通り過ぎてしまい、普段はなかなか気づきにくい場所かもしれない。けれど実際に現地を訪れて下から見上げてみると、見頃を迎えた時期には黄色いイチョウの葉の隙間に秋の太陽がちょうど重なり、とてもきれいな光景に出合える。隣接する長源寺の落ち着いた佇まいや周辺の木々と溶け合い、昔ながらの武蔵野らしい情緒を静かに感じさせてくれる場所だ。

続いて埼玉エリアでは、東川口駅と南越谷駅の間 に位置する「出羽公園」。ここは武蔵野線の線路際に寄り添うようにイチョウの木々が並び、秋になると鮮やかな黄色の帯をつくり出す。電車からもその並木を眺めることができ、季節の移ろいを感じさせてくれる。園内では四季折々の花も楽しめ、紅葉の季節だけでなく、一年を通して気持ちよく過ごせる地域の憩いのスポットだ。

武蔵野線の車体とイチョウの木

武蔵野線の車体にもよく映える、黄色く染まった出羽公園のイチョウの木(写真提供:JR東日本)

そして、三郷駅から少し足をのばした先にある「水元公園」も見逃せない。小合溜という大きな遊水池に沿って広がる園内には、空に向かってまっすぐ伸びる背の高いメタセコイア並木が続き、晩秋になると温かみのある黄金色や橙色に染まる。木立の間を歩くだけで、深まる秋を全身で感じられる、見ごたえのある景観だ。

武蔵野線沿線の紅葉スポットの良さは、気負って遠出をしなくても、日々の暮らしの延長でふらりと立ち寄れる気軽さにある。
歴史ある神社で眺める大きなイチョウ、水辺のベンチに座って見上げる赤や黄色の木立、そして電車の窓越しや線路際でふと見つける鮮やかな木々。どれも賑やかな観光地とは少し違った、素朴で落ち着いた心地よさを届けてくれる。
次の休日は歩きやすい靴を履いて、武蔵野線へ。気になる駅で途中下車しながら、自分だけの秋景色を探しに出かけてみよう。

文 = 北村康行

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